新型コロナウイルスによる感染拡大で、大きな影響を受けている観光業界。
政府は、感染拡大が沈静化した後に観光業界を復活させるため、高速道路無料化を検討しているようです。
しかし、高速道路を無料化すれば、鉄道などの運輸業に影響はないのでしょうか。
高速道路無料化で鉄道への影響はあるのか、民主党時代の政策はどうだったのかまとめました。
高速道路無料化は鉄道に打撃?
高速道路無料化で、鉄道は打撃を受けるという意見がでています。
たしかに、移動手段に車を選べば、鉄道に乗る機会は少なくなる可能性は否定できません。
そもそもローカル線は儲かっていないので、高速道路無料化が実現すれば破綻してしまうことが考えられます。
民主党時代はどうだった?
高速道路無料化といえば、民主党政権を思い出します。
2010年からはじまった高速道路の無料化社会実験。
翌年に起きた東日本大震災により一時凍結となりましたが、社会に与えた影響は大きいものでした。
この高速道路無料化により、実際に鉄道は打撃をうけています。

今回の高速道路料金無料化でも、鉄道に大きな影響がでるのは間違いないでしょう。
高速道路無料がダメな理由
高速道路料金無料化は鉄道のみならず、さまざまな業種に影響を及ぼすことが考えられます。
無料になるからいいというものではなく、かえって損する場合もあります。
高速道路無料化の問題点についてまとめます。
航空や船舶などにも影響が
不要不急の外出自粛により、航空や船舶業者も大きな減収が見込まれています。
そのうえ、高速道路料金無料化になれば、さらなる追い打ちを食らうことになります。
フェリー業者などの減収は、民主党時代にも大きな問題となりました。
過去に問題となった政策を、再び繰り返す愚行は止めるべきです。
物流に問題が生じる
高速道路料金が無料になると、当然に高速道路を使う人が増えます。
そうすると渋滞しやすくなり、これまで高速道路をつかって運搬してきた荷物の配達が遅くなるという影響も考えれます。
インバウンド需要が見込めなくなった観光業を支援する意図はわかりますが、他の分野に悪影響がでては本末転倒です。
時代に逆行
高速道路無料化は時代に逆行しているという意見もあります。
無料化で移動手段がマイカーになり、排ガス規制などをすすめる流れに逆行するのではという意見です。
また、高齢者の免許返納にも支障が出るでしょう。
そもそもマイカー離れが進んでいるのに、恩恵が受けられる人が限られる政策は良くないでしょう。
特定分野の優遇に疑問
今回の新型コロナウイルスの蔓延で影響がある業種は、すべての業種だと言っていいでしょう。
もちろん、増収のような職種もあるとは思いますが、生活する上では日本全体が大きく制限されているわけです。
それなのになぜ、観光業だけの支援なのでしょうか。
現金の給付だと貯蓄に回るという理由で、高速道路無料化などの意見が出ているとは思うのですが、特定分野の優遇になりかねない政策は、不平等を生み、不満になってしまいます。
難しい判断を突きつけられているわけですが、なんとか良い案を出していただきたいと思います。